電子レンジと宇宙人


1998年
オーストラリアで11光年先の星からメッセージが届いた。


2015年
解読に成功した。
内容は身体の大半を電気が占める、形は人間によく似た生物らしいものだった。


そして…
2×××年
通信技術の進歩により光を超えるスピードでの通信が可能になった。
その宇宙人からテレポートマシンの設計図が届き、人類は総力を結集し、組み立てた。
これが宇宙人、通称ロス・バルゴ(ROOS・VIRGO)との出会いだった…


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 「今朝ロス・バルゴの移民が可能となり、多くの人でここ旧東京駅前はごった返しています。」耳障りなほどデカいテレビの音で僕は目を覚ました。とても天気はいいが、酷い目覚めだった。
 「姉ちゃんうるさいよ…」リビングに向かいながらぼやいた。
 「だって、うちにホームステイしに来るんだよ!!」その満面の笑みには欠点などある訳はなかった。口についた納豆以外は。
 僕はかきこむ様にご飯を食べ、いつもより念入りに歯を磨いてみる。
 そして「行ってくるね」と言い残し東京へ出迎えに行った。鼻水をすすりながら空を見ると、腹立たしいほどに青い。その真ん中を貫く一本の雲だけが味方のような気がした。



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